仮想通貨のSOL(ソラナ)とは？特徴や価格推移、将来性について詳しく解説！

ブロックチェーン技術が急速に進化する中で、「ソラナ」という名前がますます注目されています。

ソラナは、ブロックチェーンのスケーラビリティとコストの課題に対する革新的な解決策を提供するプラットフォームです。

特に、その「高速な取引処理」と「低コストの手数料」で知られ、多くのデジタルアセットや分散型アプリケーション（DApps）がここで展開されています。

2020年のリリース以来、ソラナはその独自の技術とアプローチで急成長を遂げ、業界内での影響力を強めています。

この記事では、ソラナの基本情報からその誕生背景、そしてその特徴的な機能について詳しく解説します。

革新と機能性を兼ね備えたソラナの魅力を深く掘り下げてみましょう。

暗号資産のSOL(ソラナ)とは？

SOL（ソラナ）は、革新的なブロックチェーンプラットフォームであり、特に「高速な取引処理」と「低コストの手数料」を特徴としています。

ソラナの設立は、ブロックチェーン技術が持つスケーラビリティの問題を解決するために生まれました。

このプラットフォームは、分散型アプリケーション（DApps）の開発を可能にし、多くのユーザーにとって使いやすい環境を提供することを目指しています。

通貨名	ソラナ（Solana）
ティッカーシンボル	SOL
発行上限枚数	なし
リリース	2020年3月
コンセンサスアルゴリズム	PoS（Proof of Stake）、PoH（Proof of History）、Tower BFT
価格	$139.58
時価総額ランキング	5位
公式サイト	https://solana.com/ja

2024年8月30日時点、※CoinGecko調べ

ソラナ誕生の背景

ソラナの誕生には、通信技術と半導体設計の専門家であるアナトリー・ヤコベンコ氏のビジョンが大きく影響しています。

ヤコベンコ氏は、2017年にソラナを設立する前、米大手半導体企業「クアルコム」でシステムエンジニアとして活躍していました。

彼のキャリアの中で、通信技術やデータ処理の効率化に関する深い知識と経験を積んでおり、これがソラナの開発に大いに役立ちました。

ヤコベンコ氏がソラナを開発しようと決意した背景には、ブロックチェーン技術が抱える「拡張性の問題」があります。

従来のブロックチェーンネットワークでは、取引の処理速度やスケーラビリティが大きな課題とされていました。

具体的には、ビットコインやイーサリアムといった先行するブロックチェーンは、1秒間に15〜20件の取引しか処理できず、これがネットワークの混雑や手数料の高騰、システムダウンといった問題を引き起こしていました。

ヤコベンコ氏は、この問題に対する解決策として、「信頼できる共通の時計」を利用するというアイデアを考案しました。

これは、ネットワーク全体のノードが正確な時間を共有することで、データの処理や同期を効率化し、全体のスループットを向上させるというものです。

このアプローチにより、ブロックチェーンの拡張性が大きく改善され、処理速度が飛躍的に向上することが期待されました。

その結果、ソラナは1秒間に5万件の取引処理を実現する能力を持つことになり、従来のブロックチェーンネットワークの処理能力を大幅に超えることが可能となりました。

こういったことを可能にしているのが、独自のコンセンサスアルゴリズム「プルーフ・オブ・ヒストリー（PoH）」になります。

SOL(ソラナ)の特徴

プルーフ・オブ・ヒストリー（PoH）

高速で手数料が安い

他のブロックチェーンとの相互運用性がある

ステーキング報酬を得られる

イーサリアムとの比較

イーサリアムは、スマートコントラクト機能を備えたブロックチェーンとして、数多くのプロジェクトやアプリケーションの基盤として利用されており、そのエコシステムは非常に強固です。

しかし、最近ではソラナがイーサリアムの優位性に挑戦し、注目を集めています。

イーサリアムの最大の課題の一つは、「スケーラビリティ問題」と「フラグメンテーション（断片化）」です。

イーサリアムは、取引の処理能力が限られており、多くの取引やスマートコントラクトが同時に行われると、ネットワークが混雑し、取引速度が遅くなり、手数料が高騰する問題があります。

これを解決するために、イーサリアムはレイヤー2ソリューションであるロールアップを導入し、取引のスケーラビリティを向上させることを目指しています。

しかし、これによりネットワークは複数の経済圏に分断され、各レイヤー間の相互運用性や流動性が低下するという新たな問題も生じています。

一方、ソラナはこのような問題に対して異なるアプローチを取っています。

ソラナは「プルーフ・オブ・ヒストリー（PoH）」という革新的な技術を採用しており、これにより取引の処理速度を大幅に向上させることに成功しています。

ソラナのネットワークは、1秒あたりに数千件の取引を処理できる能力を持ち、手数料も非常に低いため、多くのユーザーにとって魅力的な選択肢となっています。

このスケーラビリティの高さと低コストは、ソラナがイーサリアムに対抗する上での強みとなっています。

さらに、ソラナは他のブロックチェーンとの相互運用性を高めるための機能も備えています。

例えば、ソラナは「Wormhole」というブリッジ機能を使用して、イーサリアムなどの他のブロックチェーンとトークンの交換やデータの連携を可能にしています。

これにより、ソラナとイーサリアムのエコシステムが互いに補完し合い、より広範な利用が可能となります。

総じて、イーサリアムは長年にわたって確固たる地位を築いてきましたが、スケーラビリティやフラグメンテーションの問題に直面しています。

ソラナは、その革新的な技術と高いスケーラビリティにより、これらの問題に対する有力な代替案を提供しており、今後の競争において注目される存在となっています。

SOL(ソラナ)の価格動向

引用：coingecko

ソラナ（SOL）は2021年7月頃から急激な価格上昇を見せました。

特に2021年11月6日には、史上最高値を記録し、ローンチ時の価格から約160倍に達しました。

この高騰の背景には、コロナ禍の影響で主要国が実施した大規模な金融緩和政策があります。

これにより、金融市場全般が過剰流動性相場となり、仮想通貨市場にも大量の資金が流入しました。

2020年末からビットコインやイーサリアムなどの主要仮想通貨が価格高騰を始め、その流れに乗る形でSOLも急上昇したのです。

しかし、2021年末頃から市場の状況は一変します。

新型コロナウイルスの感染拡大が収束し、世界経済が正常化し始めたものの、人員や資源の供給不足が顕在化しました。

さらに、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で資源価格が高騰し、インフレが世界的に進行しました。

このインフレに対抗するため、主要国は金融緩和から引き締め政策に転換しました。

この政策変更により、仮想通貨市場全体が冷え込み、SOLの価格も大きく下落しました。

2022年の初めには、SOLの価格は急落し、再び安定を見せるまでには時間がかかりました。

仮想通貨市場全体が不安定であったため、SOLもその影響を受けました。

特に、2022年の中頃には、仮想通貨取引所の破綻や規制強化などが影響し、価格は低迷しました。

この時期の下落は、投資家の信頼感の低下や市場全体のボラティリティの高さに起因しています。

なお、2023年後半からは徐々に上昇へ転じており、2024年8月現在は2023年1月の10ドル台から大幅な上昇となる143ドル付近で取引されています。

ソラナ（Solana／SOL）の将来性・今後の動向

ETF承認の可能性がある

ソラナの価格動向に関連して、ソラナETFの承認についても注目されています。

ソラナETFは、ソラナトークン（SOL）に連動する上場投資信託（ETF）で、証券取引所に上場されることにより、投資家はソラナに直接投資するのではなく、ETFを通じて間接的に投資することができます。

この仕組みは、特に仮想通貨市場へのアクセスを拡大する手段として注目されています。

ソラナETFは、資産管理会社やETFプロバイダーがソラナトークンを購入し、それを裏付け資産としてETFを発行する形で作成されます。

発行されたETFは証券取引所に上場され、株式と同様に取引可能です。

ソラナの価格が上昇すれば、ソラナETFの価格も上昇し、逆に価格が下落すればETFの価格も下落します。

投資家は、価格が上昇した際に売却することで利益を得ることができますが、取引には手数料や税金がかかるため、それらを考慮する必要があります。

2023年後半から2024年8月にかけて、ソラナETFに関する動きが活発化しています。

金融規制機関や証券取引所による評価が進み、ソラナの市場での認知度が高まっています。

これにより、ソラナETFの承認の可能性が現実味を帯びてきています。

特に、ソラナの価格が安定し、成長が期待される中で、より多くの投資家がソラナETFに注目している状況です。

ソラナを基盤としたDAppsの増加

ソラナのプラットフォームを基盤とした分散型アプリケーション（DApps）は、近年急速に増加しています。

ソラナはその高い処理能力と低コストの手数料により、開発者たちから注目を集めており、多くのDAppsがこのプラットフォームを利用しています。

このような背景から、ソラナを基盤としたDAppsは、金融サービスやゲーム、NFT（ノンファンジブルトークン）など、さまざまな分野で急速に広がりを見せています。

例えば、ソラナのブロックチェーンを利用したDeFi（分散型金融）プロジェクトでは、迅速な取引処理と低い手数料を活かし、高頻度の取引や流動性の提供が実現されています。

また、NFT市場でもソラナのブロックチェーンが利用されており、高速な取引処理能力により、アート作品やデジタルアイテムの取引がスムーズに行われています。

さらに、ソラナは開発者コミュニティのサポートを強化しており、開発者向けの支援プログラムや資金提供を行っています。

これにより、新しいアイデアやプロジェクトが次々と立ち上がり、エコシステム全体が活性化しています。

このような取り組みが功を奏し、ソラナを基盤としたDAppsの数は今後も増加することが予想されます。

多くの有名企業と提携を結んでいる

ソラナは、多くの有名企業と提携を結んでおり、そのビジネス展開を加速しています。

これにより、ソラナの技術は広く採用されるようになり、プロジェクトの認知度と信頼性が向上しています。

企業との提携によって、実際のビジネスでの利用が進むと同時に、新たな機会が生まれることが期待されます。

主な提携企業

イーサリアム上のDAppsの移植ができるようになる

ソラナが提供する新しい機能「Neon EVM」により、イーサリアム上で動作する分散型アプリケーション（DApps）の移植が可能になりました。

この進展は、ソラナのエコシステムにおける大きな転機を意味します。

Neon EVMは、ソラナのテストネットで2021年から開発が進められ、2023年7月に正式リリースされました。

EVM（イーサリアム仮想マシン）は、イーサリアム上で動作するスマートコントラクトやDAppsを実行するための仮想環境です。

Neon EVMは、ソラナにこのEVMの互換性を持たせることを目的としており、イーサリアムのスマートコントラクトやDAppsをソラナのブロックチェーン上で利用できるようにする機能を提供します。

この機能の導入により、イーサリアムで既に展開されている多くのDAppsが、ソラナのブロックチェーン上でも動作することが可能になります。

これにより、イーサリアム上のDAppsの開発者やユーザーは、ソラナの高い処理速度と低コストの手数料といった利点を享受できるようになります。

例えば、イーサリアムのDeFi（分散型金融）アプリやNFT（ノンファンジブルトークン）関連のプロジェクトは、ソラナの環境に移植することで、より効率的でコスト効果の高い運用が可能となります。

Web3特化型スマートフォンの開発

ソラナを開発するソラナラボは、2022年6月にWeb3特化型スマートフォン「Saga」の開発を発表し、2023年4月から一般販売を開始しました。

Sagaは、デジタル通貨やブロックチェーンアプリケーションを活用するために設計されたスマートフォンで、従来のスマートフォンとは一線を画した特長があります。

Sagaの最も注目すべき機能のひとつが、「Seed Vault」と呼ばれるシステムです。

このシステムは、仮想通貨ウォレットで使用される秘密鍵やその他の重要なデジタル情報を高いセキュリティで保護します。

Seed Vaultは、ソラナブロックチェーン上でのトランザクションやDApps（分散型アプリケーション）の利用において、ユーザーのデジタル資産を安全に管理するための要となる技術です。

また、Sagaにはブロックチェーン関連のアプリケーションをダウンロードできる「dApp Store」が搭載されています。

このdApp Storeは、ユーザーが手軽に分散型アプリケーションにアクセスできるようにし、Web3のエコシステムを支える重要なプラットフォームとなります。

これにより、ユーザーはブロックチェーンベースのアプリケーションやサービスに簡単にアクセスし、利用することができるようになります。

Sagaの販売開始と同時に、2023年12月にはSaga購入者に対して、仮想通貨BONKのエアドロップが実施されることが発表されました。

具体的には、購入者には3000万通貨（約877ドル相当）のBONKが配布され、Sagaの価格（599ドル）を下回る価値のBONKを受け取ることができました。

このエアドロップによってSagaの購入者が急増し、初期の在庫は瞬く間に完売しました。このような戦略的なプロモーションが、Sagaの人気を高める要因となったのは間違いありません。

さらに、2024年1月には、Sagaの後継機「Saga 2（仮称）」の発売が計画されているとの報道があります。

新型スマートフォンは、さらに進化した機能とセキュリティを提供することが期待されており、Web3技術を活用したスマートフォン市場での競争が一層激化することが予想されます。

Web3特化型スマートフォンの普及は、デジタル通貨やブロックチェーン技術が一般のユーザーにとってより身近なものになることを意味します。

今後のSagaやSaga 2の動向は、Web3エコシステムの成長や、ブロックチェーン技術の普及に大きな影響を与えるでしょう。

Solana Mobile

ソラナとは？まとめ